【感想】麦本三歩の好きなものは愛おしい日々を描いた傑作日常小説

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大したことは起こらない。
謎も事件もファンタジーもない。

そういう毎日の中どう生きたってきっとそんなに変わりはしない。

でも出来ればどうか自分も、嫌いなもののことじゃなく、好きなものの話をしていたい。

麦本三歩の好きなもの」は住野よるさんが初めて描く「働く女性」のストーリー。

従来の作品とは異なり、12本の短編小説により構成されています。

麦本三歩は図書館勤務の20代女子。格好悪いところもあれば、天然キャラとも違う。真面目だけど抜けたところもある、リアルで応援したくなる女性。

そんな女性のなにげなく愛おしい日々を描いた日常小説です。

ストーリーを通じて大きく盛り上がる場面もなく、ただただ平凡な日常が描かれています。

それでも、何も起こらなくても、三歩の独特の世界観と住野よるさんの言葉遊びによってついついニヤけてしまう作品。

読み終わったあと、きっと皆さんも三歩を好きになっているはずです。

真剣だけど、どこか抜けてる三歩のかわいい日常をお楽しみください。

麦本三歩の好きなもの

三歩がとにかく可愛い作品です

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麦本三歩の好きなもの あらすじ

『君の膵臓をたべたい』の住野よる史上
いちばんキュートな主人公、登場!

「朝寝坊、チーズ蒸しパン、そして本。
好きなものがたくさんあるから、毎日はきっと楽しい」

図書館勤務の20代女子、麦本三歩の
なにげなく愛おしい日々を描いた傑作日常小説。

>> 「麦本三歩の好きなもの」を読む

 

住野よるによる麦本三歩の人物像

 

麦本三歩の好きなもの 感想

  • 麦本三歩は歩くのが好き
  • 麦本三歩は図書館が好き
  • 麦本三歩はワンポイントが好き
  • 麦本三歩は年上が好き
  • 麦本三歩はライムが好き
  • 麦本三歩は生クリームが好き
  • 麦本三歩は君が好き
  • 麦本三歩はブルボンが好き
  • 麦本三歩は魔女宅好き
  • 麦本三歩はファンサービスが好き
  • 麦本三歩はモントレーが好き
  • 麦本三歩は今日が好き

麦本三歩の好きなものは12本の短編小説により構成されています。

作品全体のつながりはほとんどないので、どの回から読んでも楽しむことができます。

最大の魅力は麦本三歩というキャラクターが生み出す世界観。

“多分余ったエネルギーが実体となったチョップが頭の上にのった。余らせとけ”

“しゃがんだ状態で作業をしていた時に名前を呼ばれ、出来るだけ早く助けを必要としている人の元に参上しようと、クラウチングスタートの体勢を取った”

“今日はハプニングを乗り越えた日だったし自分へのご褒美でご飯を一合半炊いてやろう。そいつを攻略するおかずももちろん凶暴な奴でなくては”

“三歩はジレンマという言葉の響きが好きなのだ。時にはかっこつけてディレンマと言ってしまうくらい”

“ごめんなさい前の椅子、私、新しく好きな椅子が出来ちゃったの”

“私のクリームパンを返せ、高級なんだぞ”

何でもない日常を見ているだけなのに、出会ったこともない三歩を想像してついニヤニヤしてしまいます。

麦本三歩はブルボンが好き

個人的に好きな回は「麦本三歩はブルボンが好き」

同じ図書館で働く”怖い先輩”と三歩の距離が縮まるストーリー。

「どこか抜けている三歩」と「常に適切なツッコミを入れてくれる先輩」との掛け合いは、優しい先輩の言葉を借りると”楽しそうなプレイ”である。

普段は近づきたくないはずの先輩の家に、手料理をふるまってくれるというだけでついていく三歩も三歩らしい。

もちろん先輩の怖さや自分の人見知りとも相談したけれど、三歩の頭の中、それらの考えは全て食欲というブルドーザーに一掃された。

ブルボンという三歩の大好きなお菓子を通して、怖いはずの先輩が自分の恋人だったのかと錯覚していく三歩。

単純だ。かわいい。

麦本三歩は君が好き

もうひとつ印象に残っている回は「麦本三歩は君が好き」

久しぶりに再開した男友達と水族館に行く話。どう考えても告白される流れと思いきや、想定外の展開にびっくり。

三歩のようなちょっと抜けている女の子の恋愛の思考回路は興味があったので、読んでいて面白かった。

男友達の打ち明け話に対する三歩の言葉は褒められるものではなかったかもしれないけれども、ありふれた言葉ではなく、自分の言葉で思いを伝えた三歩はえらい。

三歩はそっと、この広い世界で彼だけに届くように、どこにも声を逃しはしないように、唇を開いた。

 

住野よる作品を楽しもう!

現在発売されている住野よるさんの著書は6作品。どれも住野よるさんらしい独特の言葉使いと心情描写が魅力です。

絶対に読んで欲しい大ベストセラー

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幸せってなんだろう。
ちょっと見つめ直してみませんか?

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ばけもの正体とは?人間関係に悩んでいる学生さんに是非読んで欲しい作品

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特別にみえてありふれた物語
高校生らしい感性が蘇ってきます。

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青春が終わる。

これは、喪失のその先の物語。

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住野よる史上いちばんキュートな主人公
なにげなく愛おしい日々を描いた傑作日常小説

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